こんにちは!
本日は、「クルーバンク」または「クルーレスト」と呼ばれる、CAの休憩室について解説していきたいと思います。
※呼び方は航空会社によってさまざまなので、本ブログでは「バンク」とさせていただきます!
以前こちらの記事→CAの1日の流れ。その仕事内容とは。【国内線と国際線の違い】
で、国際線CAの1日の流れをお伝えしましたが、
本記事ではその中の「CA休憩」というタイミングでCA達が休む場所と、その過ごし方などについてお話ししていきます。
忙しくバンクでの休憩が少なかったらもう、着陸間際は目の焦点が合わなくなるほど疲れてしまいます、本当に。
なので多くのCAはバンクでの休憩時間に命をかけていまして、
だからこそ、最大限リラックスできるよう、おのおの過ごし方を持っていて、その違いも面白いんです。
ではまいりましょう!
CAの休憩室=バンクについて
バンクとはこんなところです。
こちらはボーイングのHPで公開されたバンクの画像です。
一番右手に見えるCAから見て左側にもベッドがあり、梯子を中心にベッドが配置されている、密集タイプです。
BOEING公式HPより引用
写真のCAさん達は優雅に微笑んでいますが、正直とんでもない激狭スペースです。
ベッドにはもちろんベルトが付いており、寝ながら着用しなくてはいけません。
お次はこちら、バージンオーストリア航空のHPに公開されたバンクの画像です。
バージンオーストリア航空公式HPより引用
飛行機の種類が先ほどとは異なり、ベッドは縦の配置。
天井は高く見えますが、バンクは基本的に、腰を折ったままでないと進めません。
このように機材によってベッドの配置は異なり、
日系航空会社のANAやJALですと、国際線の訓練ではご紹介した両タイプの飛行機の乗務資格を取得することになります。なのでミモもどちらも使用したことがあります。
バンク休憩の取り方
休憩は、クルーを2分割して、前半組と後半組に分かれて取ります。
こちらの記事→CAの1日の流れ。その仕事内容とは。【国内線と国際線の違い】
で国際線CAの1日の流れについてご説明した中に「CA休憩」という時間がありますが、
まさにこの時、機内のどこかにあるバンクにCA達がぞろぞろと向かっています。
例に成田–ロサンゼルスを出しましたが、全体のCAの休憩時間は3時間といったところでしょうか。前半組と後半組でこの時間を分けるので、1人1時間半、バンクで休む時間を頂けます。
CAの休憩室=バンクでの過ごし方
とにかく寝るCA
CAはフライトの事前準備(ミーティングやら、お客様が乗る前の仕事)を含め、かなりの時間起きて、そして立っています。
国際線の長距離フライトですと、休憩後にもう一度ミールサービスもあるので、この時間にできるだけ寝ないと体も持ちません。
私自身、初めてロングフライト(成田ーニューヨーク)を飛んだ時、あまりの疲労で、2時間あった休憩時間は爆睡でした。
アイテムに頼るCA
アロマ効果のあるクリームを身体に塗り、保湿と、匂いを楽しんだり、
音楽プレイヤーを持っていって音楽を聴いたり、
メイクを落として肌を休ませたり、
充分に濡らしたおしぼりをコップに入れ、加湿器がわりに枕元に置いたり、
タイツを脱ぎ着圧ソックスを履いたり、
湯たんぽを持って行ったり。
大体こんな感じでしょうか。CAはおのおの、最大限にリラックスできるよう、過ごし方を工夫しています。
寝れなくて悶々とするCA
自分のベッドじゃないと寝られない、というCAも一部います。
そうでなくとも、いつもは寝れるのに、緊張するフライトだったり、何か失敗をしてしまった時などに寝れなくなってしまうことも。
また、年次が上がるにつれ、力の抜き具合を知っていくので、新人の頃より疲れなかったり…
ミモも何度か悶々とする時間をバンクで経験しました。
そんな時は「ステイ先で何を食べよう」とか、「日本に帰ったら何しよう」となるべく楽しい事を考えて過ごしてましたね。
でも寝れないと、その後がほんっとにきついので、できるだけ寝たいというのがCAの本音です。
CAの休憩室についての豆知識
男性はどうなるの?パイロットは?
CA用とパイロット用のバンクが存在します。
CA用は客室後方のどこか、パイロット用は前方のどこかにあります。男性と女性は分かれていません。
どんなルールがあるの?
航空会社にもよりますが、
ミモが勤めていた会社では、前半組が休憩から帰る時は、ベッド中央にあるベルトで布団と枕を固定し、綺麗な状態で後半組に引きつぐ、みたいな暗黙のルールがありましたね。
バンクって綺麗なの?
めちゃくちゃ埃っぽいです。アレルギー体質の人にとって結構きつい…
飛行機って、例えばロサンゼルスから成田に着陸したあと、とんでもないスピードで、機体の整備、機内清掃、搭載作業をそれぞれのスタッフが行うんですね。時間は限られているので、クルーしか使わないバンクは最低限の清掃しか入りません。
また窓も無いので空気も入れ替わっていない。
予想でしかありませんが、3ヶ月に一回しっかりとした清掃が入るか入らないかくらいではないでしょうか。
シーツは休憩前半組の誰かが使ったやつをそのまま使うので、潔癖症の方もきついかもです。
使うベッドは職位に関わらずどこでもいいの?
これも航空会社によりますが、どこでも良いです。
ミモの勤めていた会社では、コール(客室からかかる電話)が設置してあるベッド(ひとつしかない)は、前半組と後半組それぞれの1番職位が高い人が寝ます。
何かあった時に対応するため、です。
基本的にはバンクに来た順で奥に詰めて入っていきます。
さいごに
本日は、CAの秘密の休憩室についてお話ししました。
飛行機の秘密のスペースについて、少しでもおわかり頂けましたでしょうか。
CA達がどんなところで休憩を取っているのか、その実態を隠されているからこそ気になる方は多いようで、お客様にも、友人にもよーく聞かれます。
私も入社するまで、その存在すら知りませんでした。
タイトルにある、
「お客様は絶対に入れない!?」という質問の答えは、もちろん、「入れません。」です。
保安上の理由もありますが、
バンクに入るにはクルーしか知らない暗証番号が必要なので入れません、CAが入る時も、静かにスッと入るよう教わります。
場所としてはお客様の客席の上のスペースになりますが、ドアは客室のどこかにあります。
今度是非怪しまれない程度に探してみてもいいかもしれません。かなりわかりづらいです。
初めてバンクに登った時は「これがバンクか…!」と感動した覚えがあります。
訓練の時から、憧れの国際線CAが休む秘密のスペース、気になって仕方なかったんですね。
実際は埃っぽく、ちょっと苦手でしたが。
今でもバンクでの休憩時間を寝過ごし、
大先輩のCAに平謝りしてサービスに参加する悪夢を見ます。
以上です!
年末年始はゆっくりペースで更新させていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。
またお会いできますように。