こんにちは!
本日は、ANAとJALのCAが苦しむ、女社会の暗黙のルールについてお話ししていきたいと思います。
ANAにもJALにも暗黙のルールが存在し、
訓練ではもちろん教わらず、フライトを飛び出すと急にこういったルールに直面し、
「!?」と感じながらも従ってきたこのCA社会ならではのルール。
昨年退職し、5年ほどANAもしくはJALに勤めておりましたが、ミモ自身もよーく親しんでいたこれらのルールは、
“働き方改革“の一環として廃れていったものもあり、その時はほんとうにガッツポーズでしたね。
だって意味わからなかったですよほんと。
それでもいまだに残っているものもちらほら…
それらを含め、ミモの実体験、また同業他社の友人から聞いた話をご紹介したいと思います。
こわがらないでくださいね。
ではまいりましょう!
ANAとJALのCAが苦しむ、女社会の暗黙のルール
マニュキュアは年次を重ねないと可愛さを追求できない
以前こちらの記事→ANAとJALのCA 制服と、身だしなみ規定を徹底比較。【どちらが厳しい?】
でANAとJALの身だしなみ規定についてお話ししましたが、その中のマニュキュアは、新人はよーく先輩から目を留められてしまうポイントであり、
ANAではグラデーションカラーが年次を重ねないとやりづらかったり、JALでは新人だとちょっとでも規定に逸れた色味だと注意されやすかったりと
新人としてはなかなかに気の使う身だしなみポイントです。
おしゃれやかわいさを重視してしまうと痛い目を見る場合もありますので、入社後すぐは無難に肌なじみの良いピンク系でいくことをおすすめします。
リモワのスーツケースは年次を重ねないと持てない
皆さんは“リモワ“のスーツケースはご存知でしょうか。
日系CA、とくにJALのCAがよく手に引いているスーツケースのブランドなのですが、これがマニュキュア同様、フライトを飛び始めたばかりのCAが持つことをおすすめしません。
(シャネルのブランドバッグを気軽に高校生が持てないように)新人CAにとっても良い値段するから、というのが大きい理由ですが、
JALは数年前まで、ANAは現在も機内持ち込みサイズのスーツケースが貸与品としていただけることから、
“新人=貸与品“
の図式が成り立っていました。
ですのでどうしても、両社ともに先輩方は新人がリモワを持つイメージがなく、(人によりますが)あの子リモワなんて持って…!と思う方が一部存在するんですね。
またリモワはドイツのブランドのため、フライトで行った際、安く買え、そのタイミングで貸与品→リモワに替えるCAが多くいるので、あまりに早いうちに持つことはおすすめできません。
スカーフの巻き方は年次により自由になってくる
これまたよくわからないルールですが、巻き方で年次がだいたいわかってしまったりするんですね。
ANAかJALどちらかは明言しませんが、
首に直接スカーフを巻くのが2年目〜(新人はシャツの襟の下にスカーフを巻く)
という暗黙の決まりがあり、ときどき気にしていない大型新人もおりますが、だいたい皆ルールに沿っています。
ほんとう、よくわからないですが。
でもこんなルールがあるからこそ、仕事を早く覚えてスカーフを首に巻きたい!と思ったものです。
夜会巻きは年次を重ねないとやってはいけない
皆さん夜会巻きってご存知でしょうか?
ホステスの方がやるような髪型ですが、これも新人はやりたくてもできません。
ファーストクラスを乗務するようになってから、など、ある程度の技量を習得してからの身だしなみという暗黙のルールがあるため、
実際夜会巻きをしているCAはかなりベテラン、あるいは若くしてエリートCAの可能性があります。
ぜひ機内でチェックしてみてください。
機内食のチョイスは年功序列
国際線のフライトですと、CAもお客様と同じ機内食をいただくのですが、これも新人のころはなかなか気を揉む瞬間です。
たとえば普通席ですとビーフあるいはチキン、という選択肢があるかと思いますが、それらを、
こちらの記事→CAの1日の流れ。その仕事内容とは。【国内線と国際線の違い】
でお伝えした一日の流れの中の“CA食事“にて、何グループかに分けていただきます。
先輩が先に選び食べてくれれば楽なものを、仕事が立て込んで新人が先にいただくしかない時、
先輩のチョイスを聞いてからでしか食べられず…
早く食べたいのに先輩が機内で見つからない!
なんてこともしばしば。そんな時はもはやメインを食べずサイドやパンで腹を満たしたものです。
反省がなくても反省しなくてはいけない(ANA)
ANAのみの暗黙のルールになりますが、
JALに比べ、反省会の量が異常なのがANAの特徴。
ホテルに向かうバスの中でも、日本に帰ってきてからのオフィスのテーブルでも、新人は先輩全員にアドバイスをいただきに行かなくてはいけません。
「今日はなんのミスもなく、良いフライトだったなー」なんてポジティブに終えることはできず、
なんでもいいから成長できるポイントを自分の中に見つけなくてはならないという、「超」の付く体育会ルールです。
ステイ先でごはんに連れて行ってもらった時は次の日の集合時に、パイロット含む大先輩には必ずお礼を1人ずつ言わなくてはいけない(JAL)
こちらは一方JALのみの暗黙のルールになりますが、
「感謝」を大切にするJALらしいしきたりです。
と言い方は良いですが、その場でちゃんと「ごちそうさまです」など伝えて終わればいいものの、なぜか翌日の集合時もお礼を言わないといけないというルールがあります。
フライト前に大先輩の気分を良くするためでしょうか。
ゆとり世代のミモには理解しかねます。
番外編(今は廃れた昔の暗黙のルール)
エレベーターのドアは全員降りるまで、左のドア、右のドアを1人ずつ手で押さえ、さらにもう1人が閉まらないよう外にある⬆️ボタンをボタンを押さなくてはいけない
このルール、ミモが入社して1番やばいと思いました。
エレベーターの中で⬆️ボタンを押している1人でじゅうぶんじゃないですか、ドアキープ係は。
この状態だと、計4人いますからね。
キープ係に漏れ、先輩方より早く降りてしまおうものなら気まずかったあの時代。
今はもう働き方改革の一環で必要なくなりましたのでご安心ください。
空港のドアは後輩が開け、全員が通り切るまでドアを持ち続けなくてはならない
これもやばいですね。
誰よりも早くドアのもとに駆け寄り、全員通り終わったら列の最後尾につく、という暗黙の下っ端ルールです。
ドアを開け、「いいよいいよそのまま行って」とおっしゃってくださらない先輩の場合、こうなる時もあるので、完全には廃れ切っていないかもしれません。
ドアくらい自分であければいいじゃないですかね。
集合時間の2時間前にはデスクに座り、先輩方が来るまでにあらかたの準備は終えていないといけない
ANAもJALもかつて存在した悪魔的ルールがこちら。
お給料は集合時間からしか発生しませんので、もちろんこの時間はサービス残業です。
以前こちらの記事→国内線CAの、1日の仕事を詳しく解説します。【自宅出発〜お客様搭乗開始まで】
で、国内線ではありますが、一日の流れをご説明しました。これにもあるように、フライトがはじまるまでが長いのがCAの仕事の特徴です。
なのにも関わらずさらに2時間も早く行かなくてはならなかったあの時代。
今は随分と働きやすくなりました。
クレームなど関連部署に報告書を出さないといけない事案が起こったときには、関係のない後輩も先輩が帰るまで帰ることはできない
お客様からクレームをいただいた場合、受けた当人、そのクラスの責任者、チーフの3人が報告書を書き、関連部署がそれをもとにお客様に謝罪、といった流れになるのですが、
かつてはこのクレームにまったく身の覚えのない新人も、報告書が書き終えられるまで待たなくてはならない暗黙のルールがありました。
つまり「先輩より先に帰ってはいけない」ということなのですが…
ミモも昔、新人のころ、このような状況で3時間ほど、フライト後にオフィスに残った経験があります。
さいごに
本日は、ANAとJALのCAが苦しむ、女社会の暗黙のルールについてお話ししました。
ミモがいつも思ってるのは、
ある会社の悪い面ってのは、形は違えど他の会社でもあるもので、
CAはたいへんって言われるけれど、
でも他の会社でも暗黙のルールは死ぬほどあるんだろうな、ということで。
女社会って、出る杭は打たれるとゆうか、
輪を乱すものを嫌うもので…
だから改革を起こす人間は少なく、古いしきたりが残るんだと、個人的に考えます。
そんなこんなで、入社直後は相当びびった暗黙のルールですが、今やもうかなり減少傾向にありますし
あるとしても、慣れますよ。(嫌だけど)
以上です!
イギリス寒い。
またお会いできますように。
ビジネスシーンのあるあるですね。アピアランスや女社会の盾関係に関しては、どの業界でも大手で接客を伴う最前線なら、身だしなみマニュアルなるものが存在するので、これはCAだけではないです。スーツ着用義務の会社では、男性でも新卒さんが白以外のYシャツを着ていると、先輩から「まだ早いぞ」と言われたりします。ドアに関しては、社会人というより大人のマナーとして「お先にどうぞ」という意味合いで自然に身につくものなので、オフィスビルのエレベーターでは当たり前の光景になっています。訪日外国人が「日本人の親切さ」にインスパイアされて、エレベーターで同じような振る舞いをしているシーンもよく見かけます。