こんにちは!
本日は、国内線と国際線それぞれのCAの仕事内容について、お話ししていこうと思います。
独身時代合コンで、
「CAって、お客様をお迎えして、お飲みをサービスして、国際線だとお食事を出して…やることってそれくらいだよね?」
と質問をされたことがあります。
なんか当時とてもムッとした記憶があり、
でも答えとしては、大まかに言えば間違いありません。
お客様に見えているところって実のところそれくらいで、
それが空のウェイトレス、とも言われてしまう所以です。
でも、CAって、実際はもっと地味な(大事な)事を裏でしっかりとやっており、その「地味な事」が実はCAにとってサービスより何より大切な業務であったりして、
私自身も、CAさんってこんなことしてたんだ、と訓練で初めて知り驚いた記憶があります。
ですので、本記事では1日の流れとともに、そういったCAの裏の仕事内容を含めて解説していきたいと思います。
ではまいりましょう!
国内線CAの仕事内容
1日の流れはこんな感じです。(例:羽田–新千歳、フライトタイム1時間35分、普通席)
10:00 羽田空港に到着、会社へ行き、制服に着替える。
11:00 事前学習(私は基本的に会社でやります)15分間くらい。
11:15〜11:30 ブリーフィング→飛行機へ
12:00 機材、安全チェック①
12:05 コクピットブリーフィング
12:10 搭載品チェック②
12:20 清掃、しつらえチェック③
12:30 セキュリティチェック④
12:35 搭乗開始
13:00 離陸前チェック⑤
13:10 羽田空港を離陸
13:30 ドリンクサービス
13:50 機内販売
14:00 着陸前チェック⑥
14:15 新千歳空港に着陸
14:35 お客様降機終了
14:40 忘れ物チェック⑦
これは1便のみのタイムスケールですが、
こちらの記事→ANAとJALのCA 一ヶ月のスケジュールを徹底比較。【現役CAの実際のスケジュール公開】
をお読み頂くとわかりますが、1便で終わることなんてそうそうありませんので、
CA達は1日のうち、往復便だとこの流れを×2、その日を新千歳着でステイする場合は、×3行うことになります。
フライトの長さによりまちまちですが、羽田–新千歳便が平均的なフライトタイムであるとして、2便乗務だと、19時頃、3便乗務だと21時頃、全て終了となります。
そしてANAでは1日の最後に(主にステイ先のホテルまでのバス内)、JALでは1〜4日のパターンが終わった後に、“ブリーフィング“といういわば反省会を行います。
国内線の業務の特徴
1便のうち「チェック」なるものが7回もあります。
なので3便乗務をした場合、単純計算して1日に21回、チェックなる業務をしていることになります。
ANAとJALで名称が異なるので「チェック」と言わせて頂いていますが、主に、「あるべきものが、正しい状態であるべき場所にあるか」「お客様が安全に離着陸できるか」といった確認作業のことを指します。
これがまた多いんですよ、項目が。
次にサービスですが、国内線の普通席では、基本的にドリンクのみです。
ここに加えて、便により、車椅子のお客様や一人旅のお子様のケア、ANAではスナック菓子の販売などが乗っかってきます。
また、個人の業務として、機内販売の責任者、アナウンス担当なども年次が上がれば任されるので、
そういったCAはさらにチェック項目が多くなる、ということになります。
流れの中で起こるトラブルを対処するのもCAの仕事です
これだけの流れを追っていくだけなら、訓練後、秒で習熟するといっても過言ではありません。
ではCA達はいったい何を「習熟」していくのかというと、路線ごと、クラスごとのサービスの習熟や、トラブルに対する対処方法を毎フライトで学んでいきます。
やはり交通機関として何百人というお客様をお乗せしていると、そりゃまあいろんなことが起こるんです。
例をあげるとお客様のクレーム対応であったり、貧血で倒れてしまった方の初期対応や、忘れ物をした方の対応など、
上述したフライトの流れの中で起こるトラブルを、限られた時間内に対処しながら、学んでいきます。
CAの国際線の仕事内容
1日の流れはこんな感じです。(例:成田–ロサンゼルス、フライトタイム10時間、エコノミークラス)
14:00 成田空港に到着、会社へ行き、制服に着替える。
15:00〜 事前学習(私は基本的に会社でやります)30分〜1時間
16:00〜16:30 ブリーフィング→飛行機へ
17:00 機材、安全チェック①
17:05 コクピットブリーフィング
17:10 搭載品チェック②←多い!
17:30 清掃、しつらえチェック③←多い!
17:50 セキュリティチェック④
17:55 搭乗開始
18:20 離陸前チェック⑤
18:30 成田空港を離陸
19:00 ドリンクサービス
19:20 特別食サービス
19:30 ミールサービス
20:00 回収
20:20 免税品販売
20:30 税関、入国書類配布
21:00 CA食事
21:30 CA休憩
25:30 ミールサービス
26:00 回収
26:20 免税品販売
27:00 保税品チェック⑥
28:10 着陸前チェック⑦
28:30 ロサンゼルスに着陸
28:50 お客様降機終了
28:55 忘れ物チェック⑧
うーん、長い。
国際線の業務の特徴
国内線と比較すると、「チェック」は保税品チェックのみ増えました。
そうなんです、国際線の特徴は、税関関連の業務が増える、という点です。
(保税品=お酒や機内販売の商品など)
国によって保税品管理の方法が違ったり、お客様にお渡しする書類の種類も異なるので、それらの知識が必要になります。
サービスに関してですが、お食事のサービスが増えることで、搭載品のチェック量は多くなり、温める作業や、ビジネスクラスやファーストクラスでは盛り付けの作業も乗っかってきます。
食事とお酒の知識も必要になるので、そういった事前学習の厚みも増えます。
また国際線のビジネスクラス、ファーストクラスだと、搭乗中にお渡しするアメニティ、新聞、雑誌、ウェルカムドリンクの用意など、
お客様がいらっしゃる前にする仕事も増えます。
また流れの中でご覧頂いたとおり、乗務時間の長さから、CAはフライト中「バンク」という休憩室で仮眠を取ることができます。
10時間のフライトだと、およそ1時間〜2時間の休憩をとることができます。
流れの中で起こるトラブルを対処するのもCAの仕事です
国際線では、お客様に提供するものが多い分、付随してさまざまなトラブルが起こります。
席の画面が動かなくなってしまった場合の対応、エコノミークラスだけれど、どうしても横になりたいとおっしゃる方、またお疲れの方が多く、体調の優れないお客様をケアする場面も多くなります。
もちろん外国籍のお客様も多いので、国内線に比べて圧倒的に、英語での対応も求められます。
CAの仕事内容から、わかること。
CAの仕事は保安要員>サービス要員
国内線、国際線に関わらず、「チェック」という確認作業の多さにびっくりしませんか?
保安に関する業務と、サービスに関する業務のみアンダーラインを引かせて頂きましたが、なんとも保安の割合が多いこと。
これからもわかるように、CAのお仕事って、保安要員の役目が大きいんです。
だからってテキパキ動くだけではだめで、心地よくお過ごし頂くためにも接客技術も必要で…
両極端の性質を持つってとても難しいことですが、選考の段階でもどちらの適性もある人材を航空会社は求めていますし、しっかりとその点をアピールする必要があります。
国内線での業務内容が1だとすると国際線は10
チェック業務などの基本的な流れは同じとしても、国際線はやはりフライトタイムが長い分、覚えるべき事の量、やるべき仕事量は増えます。
サービスも厚みが増すので、国内線がドリンクのみのカフェだとすると、国際線はレストランといったイメージを持っていただければいいかと思います。
そりゃあ、レストランで働くとなると、食事のメニューに関する知識や、1人のお客様にするサービスにかける時間も、カフェよりも多くなりますよね。そんな感じです。
さいごに
本記事では、国内線と国際線のCAの仕事内容についてお話ししました。
こちらの記事→ANAとJALのCA 一ヶ月のスケジュールを徹底比較。【現役CAの実際のスケジュール公開】
でご紹介していますが、
CAは1か月のうちに、国内線と国際線のフライトを、そのたびに頭を切り替えて、毎日毎日繰り返していきます。
笑顔でお客様と接するイメージの強いCAですが、
お客様の安全の為、感覚を研ぎ澄ませてチェック事項を行い、
定時性を守るために裏では忙しなく動き、
外国へ着陸する前に税関関連の書類を作成したり…
常に時間と闘いながら、全ての仕事でミスの無いよう
こまごまと、せかせかと(時には真顔で)動いています。
でもお客様の前では優雅でいなくてはならないので
どちらにも偏らず、
優雅スイッチと、せっかちスイッチのオンオフが上手なCAは「THE仕事ができるCA」でしたね。
合コンであの質問をしたKくん。
是非ともこの記事を読んでほしいものです。
以上です!
次回の記事では、ステイ先も含めた、もっと細かい1日の動きをお伝えしたいなあとも思っています。
本日もお読み頂きありがとうございます。
またお会いできますように。
[…] →CAさんの1日の仕事内容をみてみる […]