こんにちは!
本日は、CAとGSの、仕事上の接点について、下っ端CAの視点で解説していきたいと思います。
CA=客室乗務員
GS=グランドスタッフ
であり、
受験においては併願される方が多いこの2つの職種ですが、制服はほとんど同じでも、その職務内容はまったく異なる職業です。
ですが、航空業界にあまり詳しくない方からすると、
そもそもの違いがわからなかったりするようで。
ミモもかつてそうでした。
ですので本日は、日系航空会社にCAとして5年間勤めたミモが、違いはもとより、
下っ端CA目線にてフライト中のグランドスタッフとの接点についてお話ししていきます。
ではまいりましょう!
CAとGSの、仕事上の接点について
そもそもの違い
まず明確にいうと、会社が異なります。(なので採用の入り口も違います)
グループ会社ではありますが、
ANA→エアポートサービス株式会社
JAL→JALスカイ株式会社
などですね。
飛行機を利用されるお客様にとって、
スーツケースなどの荷物を預けたり、搭乗券を受け取るデスクにいる人はグランドスタッフ、
空港でお客様を探して駆け回っている人もグランドスタッフ、
ゲートにおり、搭乗開始のアナウンスをする人もグランドスタッフです。
CAはほんとうに、飛行機内でのみ、お客様の前に立ちます。
(例外として時たまCAがゲート付近でグランドスタッフのお手伝いすることもある)
CAとGSの、仕事上の接点について【国内線の場合】
下っ端CA目線にて、1日の流れを追ってみたところグランドスタッフとの接点は以下の通りでした。
1.フライトが始まる前、機内でチーフとグランドスタッフが何やら打ち合わせをしているのを見かける。
CA達がせかせかとお客様をお出迎えする準備をしている時、グランドスタッフがゲートからブリッジを通り機内にいらっしゃり、客室乗務員の長であるチーフと何やら打ち合わせをはじめます。
内容としては、お客様の数、特別なお手伝いが必要なお客様の概要(車椅子を使われる方、小さなお子様をお連れの方、お子様だけで搭乗される方、など)、知っておくべきお客様の情報(過去にクレームをされた方、座席移動にご協力いただいた方、など)、搭乗開始の目安時間、などですね。
それらの情報を得たチーフは全客室乗務員にシェアし、
誰がどのお客様を担当して、であったり、
クレームの背景を考え「こう気をつけていこう」と、グランドスタッフがくださった情報を糸口に意識合わせをします。
時刻表で決まってはいますが、一応、搭乗開始の目安時間についても、グランドスタッフとチーフは意識合わせをしているので、全客室乗務員もその時間に向け、準備を急ぎます。
2.CA達の準備が遅いとグランドスタッフが機内に来て様子を見にくる。
CA達は先述した「搭乗開始の目安時間」を基本的に守り機内準備をそれまでに行いますが、
迫ってもなお、グランドスタッフに、チーフから機内準備が整ったよ、という合図が来ない場合、
(その多くは前便が遅延しており、やることが終わらず機内が戦場と化している場合)
グランドスタッフが機内の様子を見にいらしゃいます。
ピリッとした空気を纏い、「まだですかー?」というグランドスタッフさん。
ここで喧嘩が勃発しているのを、ミモは一度見たことがありますよ。
「〜時なんて無理に決まってます!機内としてはあと10分は無理です!」というチーフと、「でももう搭乗を始めないと出発時刻に間に合いません!」というグランドスタッフの戦い。
あれはこわかった。
3.CAは機内準備okの合図をグランドスタッフに伝える。
2のようにグランドスタッフが見にこなくとも機内準備がスムーズに終わった場合、CAの方からグランドスタッフに「機内は準備okです」と合図を行います。
その合図の方法は航空会社によってさまざまですが、
多くは飛行機近くに設置された電話で、ゲートにいるグランドスタッフにその旨を伝えます。
そうして合図を受けたグランドスタッフは、お客様の搭乗開始をアナウンスを用い行います。
4.お客様全員が搭乗し終わると、グランドスタッフがドア付近までに来て、チーフは何やらものを受け取りドアが閉まる。
お客様全員が搭乗し終わると、
グランドスタッフもゲートから飛行機近くまでやってこられ、「搭乗終了です、最終情報です」と紙をチーフに渡し、飛行機のドアが閉められます。
今飛行機に何人乗っているか、どの座席にお手伝いが必要な方が乗っているかなど、最終的なお客様情報についての紙を渡してくださいます。
(今はほとんど電子化されており、だいたいの場合おのおのの所持するiPadで確認することができますが、万一の場合のため、紙でも渡される)
たとえば緊急着陸をし、飛行機からスライドをもって降りた場合、この最終情報をもとにお客様が全員無事か把握するので、とてもとても大事なものです。
5.着地にてドアが開いた後、チーフは着地のグランドスタッフと何やら言葉を交わし、降機が開始される。
飛行機が着地に到着後、ドアが開いた直後、
フライト中になにか事件(クレームやら、こちらの記事→機内で急に、180cmの男性のお客様が私に向かって倒れてきた話。【フライト事件簿①】
では無事でしたが、お客様が倒れ怪我してしまった場合、その当該のお客様をグランドスタッフに引き継ぎその後の対応をお願いするため会話が長くなることがある)
などが特になければ、一言二言グランドスタッフにチーフが会話し、降機が開始されます。
という、機内で起きた事件をある程度しずめるのはCAの仕事だけれど、そのあとは地上で話をまとめるわけで、その対応の責任の重さといったら…。
そう、グランドスタッフは大変なお仕事です。
6.機内に忘れ物があった場合、グランドスタッフに預ける。
こちらの記事→国内線CAの、1日の仕事を詳しく解説。【お客様搭乗開始〜忘れ物チェックまで】
でCAの一日についてお話ししていますが、その中の「忘れ物チェック」という項目。
CAはこの捜索タイムで忘れ物を見つけた場合、グランドスタッフに引き継ぎます。
「すいません忘れ物ですお願いします」、という感じで。
グランドスタッフも、「了解ですそこに置いておいてください」、という感じで受け取ってくださいます。
下っ端CAとしては、いつもチーフとグランドスタッフのやり取りを横目で見ているだけなので、
かなりさっぱりですがこの時が唯一の接点だったりします。
…と、CAとGSの接点はこんな感じです。
どうでしょう、下っ端CAとして5年間しか勤めなかったミモの体感としてはその関わりはめちゃめちゃ少なかった印象ですが、
客室乗務員の長であるチーフまで昇格するとなるとその関わりはとても密接なものとなり、
助け合って、時に頼りあって定時運航、そして安全運航につなげています。
ちなみにCAは国内線の場合1日に1〜4便飛ぶので、その分1〜6を繰り返していく感じになります。
また、CAとして関わる、“ゲート担当のGSさん“は、グランドスタッフの多岐にわたる職務のほんの一部のお仕事のようです。(空港のカウンターやら、配置がいろいろある模様)
さいごに
本日は、CAとGSの、仕事上の接点についてお話ししました。
こんな感じで手を取り合って仕事をしているCAとGSですが、
その業務内容は似ているようで、まったく異なり、
お客様の前に立つ航空会社の顔であること以外、
働きながらおのおのが大切にしている点も、ぜんぜん違います。
CAだったミモからすると、
数少ない接点で見かけるグランドスタッフさん達のテキパキさには尊敬しかなく、
こちらの記事→ミモの、就職活動時の失敗談。【皆さん頑張りましょう】
でお話ししたように自分が全落ちした過去に納得でした。
(ミモはあまりテキパキできない人間である)
ちなみにスカイマークさんでは、CAとして入社した人間も、GSの大体の仕事を担うようで。
覚えること多そう。
すごい。
以上です!
だんだんと日常が戻ってきましたね。
またお会いできますように。