こんにちは!
本日は、ANAとJALの、国際線サービスの違いを比較していきたいと思います。
舞台は成田–ホノルル。
今「ドル箱」として両社注目し、
そしてお客様からも大人気のハワイ。
こういった比較シリーズだと、利用する事を想定して、たとえばマイルの溜まりやすさやラウンジなども含めることが多いですが、
本記事ではあくまでも、“違いを踏まえ、CAとして働きやすいか?“であったり、
“両社がサービスの何に重きを置いているか?”といった違いを、
元CA独自の目線で考察していきたいと思っています。
ではまいりましょう!
ANAとJAL 値段の違い
2020/1/13にskyticketさんで調べた結果になります。
日にちは両社ともに2020/4/6(月)〜4/10(木)の2泊4日のフライトを往復で検索、
燃油サーチャージ込みの、エコノミークラスの正規料金の最安値を書かせて頂いています。
ANA
¥81.080
JAL
¥81.680
ANAとJALでは600円の差で、あまり違いはありません。ビジネスクラスについても同様に、大きな差はありませんでした。
ANAとJAL 飛行機の違い
ANA
現在は777-300ER(約250席)と、「フライング・ホヌ」と呼ばれる二階建ての大型飛行機A380(520席。ファーストクラスあり!)の2機体制ですが、
2020/7/1以降はA380に統一するとのこと。
つまりANAは、ホノルルに運航する全ての飛行機がファーストクラス付き、ということになります。
CA目線で考えると、ホノルルという中距離路線でファーストクラスを担当するのは、時間の制約もあり、緊張感も大きくなかなか大変で、
JALには中距離路線でのファーストクラスは基本的に存在しない(アメリカやヨーロッパの長距離のみ)ので、挑戦的だな、という印象を持ちます。
また、CAの数も約20人という大所帯。
二階建てなもんだから、最初から最後まで顔を合わせないCAもいることでしょう。さらなるチームワーク力が求められます。
JAL
年末年始の、12/26〜1/4はファーストクラスのある、ANAでも現在運航している777-300ERという機材を運行していますが、
それ以外は787(250席)と777-200ER(250席)、767-300ER(200席)の3機体制です。
ANAと比較すると、基本的にはビジネスクラスとエコノミークラス(+プレミアムエコノミークラス)のみの販売、ということになります。
ホノルル線に関すると、ANAもJALも夕方発の便になり、お客様のほとんどは朝から元気に遊べるよう、機内では睡眠を取られるんですね。
ANAのファーストクラス導入も素敵ですが、それだけ運賃は高いわけで、寝るだけのお客様が多いとなると、需要はそこまであるのかなあ、とも考えてしまいます。JALがファーストクラス導入を渋っているのもそういった考えがあるのかなあとも推測します。
JALさんは堅実ですね。
CA目線で考えると、同じ路線なのに3種類も機材があると、そのたびにサービス方法や、安全に関する知識の事前勉強が必要になるので、慣れるまでは少し時間がかかりそうです。
まあ、それも新人の頃だけですが!
ANAとJAL サービスの違い
ANA
【飲み物、食事】
CA目線では、ビジネスクラスとエコノミークラスの飲み物と食事の内容に、JALと大差はありませんでした。
これに関しては好みです。
注目なのはプレミアムエコノミークラスのお食事がエコノミークラスと異なるメニューであること。これは嬉しいお客様が多いのではないでしょうか。
なぜって、JALではこの2クラスのメニューは同じで、+aの軽食をお出しするくらいの差しかありません。同じくらいの値段なら、ANAの方が乗りたくなっちゃいますね〜
(ちなみにANAもJALも、正規料金だとプレミアムエコノミーは往復で13万円くらいなので、エコノミーよりちょっと贅沢したいっていう方に大変おすすめですね。さらにちなむと、ビジネスクラスだと往復で25万円以上になります。)
【その他サービス】
「思い出プレート」お皿に好きな絵を描き、CAが機内で仕上げて(電子レンジで温める)くれるようです。思い出を形で残せ、お子様など絶対喜ぶサービスです。
ANA公式HPより引用
「当たりくじ」エコノミークラスとプレミアムエコノミークラスのお客様の食事のトレーに当たりくじが用意されており、当たったらプレゼントが貰えるそう。
ANA公式HPより引用
さすがANAさん、人を楽しませる発想に長けています…!
がしかし、CA目線で考えると、
こういったサービスがあるとかなり手を取られるので、仕事量は多くなり、負担は増えてしまうかな、と、どうしても考えてしまいます。
JAL
【飲み物、食事】
内容は上述した通りですが、注目すべきポイントは、ビジネスクラスにて、食事が好きなタイミングで食べられること。
ANAでは出発後すぐに、お客様全員が同じタイミングで食事を食べることになりますが、JALでは個々のお客様の過ごし方に合わせ、柔軟性をもってサービスをするようです。
ついさっき空港で食べてきた、とか、遊ぶ前に朝ごはんとしてしっかり食べたい、なんて方にはうってつけです。
CA目線で考えると、うーん、こちらもCAへの負担はありそうです。
ANAのように一度に全員に食事をお出しできれば、そのあとの時間はかなり暇ができますが、
お好きなときに、としてしまうとコンスタントに食事の注文が入る場合もあり、CAの休憩も取れたものではありません。
【その他サービス】
「キッズショルダーバッグ」2歳〜小学校低学年までのお子様に配布されます。ハワイで使えるグッズが入っているようで、バッグとしても使え、お子様は喜ぶこと間違いなしのサービスです。
JAL公式HPより引用
違いをミモなりにまとめると。
ANA…ファーストクラスをホノルル線に導入!その他クラスでもお客様を最大限楽しませる努力あり!
飛行機=「楽しい旅の一部」との考え方!
CAとしてはその分手を取られるが、笑顔を引き出すチャンス多く、楽しく仕事ができるかも。
JAL…お客様それぞれの過ごし方を尊重したサービスを追究!
CAとしてはその分振り回されがちになるが、本当の意味でお客様の事を想っている、JALらしいおもてなしの形かも。
飛行機=「旅を最大限楽しんでもらうための、リラックスする場所」との考え方あり!謙虚ですね〜
さいごに
本日はANAとJALのサービスの違いを、舞台を成田–ホノルルとして、徹底比較致しました。
元CAのミモとしても、大きな違いがあって、調べていてかなり面白かったです。
同じ路線、そして同じ値段なのにこうも違う!
この違いをそっくりそのまま面接で、
たとえば「ANAとJALの違いは?」とか、「ANA(JAL)の良いところ」とかに使うのはおすすめできませんが
(実際に乗って経験したなら良いと思います!)
両社の大切にしている点からも、
一企業としてのあり方が見えてきて、こっちの方が私にあってるかも!学ぶことが多そうだから、こっちで働いてみたい!など
考えることが皆さまそれぞれにあったのではないかなーと思います。
また、ハワイに行く際、乗りたくなったのはどちらでしょうか?
そういった視点も、ANAとJALどちらで働くかという判断基準にもなりますので、是非、大事になさってください。
自分が正しいと思った考え方のもと、働きたいですよね。
ただ、
乗りたい=働きたい
という図式は、本記事でお伝えした通り、
必ずしも成立しないと思いますので、よーく考えてみてくださいね。
(いろいろなチャレンジは、素敵ですが、CAとして長く働く上では負担になってくる場合もあるのです。)
以上です!
またお会いできますように。