こんにちは!
本日は、元CAの筆者がフライト中、「今すぐ飛び降りたい」と思った7つの瞬間についてお話ししていきたいと思います。
CAの仕事って日々の積み重ねで仕事が成り立っており、
大きなプロジェクトを成功させた!とか、あるいは失敗した!とかそういう波は少なくて、
そういった目に見える成果が無い分、
小さな失敗でそのCAの評価が決めつけられてしまったり、その積み重ねで地味にメンタルを削られると言いますか…
なので他職業の方からすると「これだけ?」という感じかもしれないのですが、
機内で一度でも「ここから逃げ出したい」と思ってもそこは空の上。味わった悔しさやストレスはその場で飲み込み気持ちを切り替えるしかないのですが、まあそれも難しい。
とよくわからない前置きが長くなってしまいましたが、
そういったかつての筆者の行き場の無い気持ち達(前編1〜3)を、本日は共有させてください。
おそらくどんなCAも、私ほどではなくとも、似たような失敗をしてしまったことがあるんじゃないかな、とも思います。
ではまいりましょう!
CAがフライト中、「今すぐ飛び降りたい」と思った7つの瞬間。
新人の頃の失敗談はまた次回。
あの頃はもはや毎フライトで今すぐにでも飛び降りたいと思い続けていたので、
今回は業務にも少し慣れてきた頃のそういった“飛び降りたくなった瞬間“7つをご紹介します。
1.お偉いさんが同乗する、(評価をつけられる)大事なフライトに限っていつもしないミスをしてしまった時
昇進に関わる個人の評価は、
航空会社にもよるのですが、
ミモが働いていた会社ではざっくり言うと、所属している班(グループ)の長であるチーフと、そのまた上にいるマネージャーという大先輩2名によって決められます。
チーフとは月に何度もフライトをしているので良い点から悪い点まで把握して頂けているので相応の評価をくださるのですが、
マネージャーとのフライトは本当に稀で、運が良いのか悪いのかわかりませんが少ないと半年に一度飛ぶか飛ばないか。
マネージャーにもよりますが、
たとえばお飲み物のサービス中のCAの一つ一つの所作(注ぎ方からお飲み物をお渡しする際の指先まで)、お客様との会話内容、笑顔は出ているかなど、
まあ近い距離でアテンションプリーズの三上教官のえぐみをもっと煮詰めたような大先輩にじっと観察されチェックされるので、そのやりづらさといったら凄まじく。
そんな稀なフライトの大事な時に限って、そのマネージャーの威圧感やら自分含むCA達の“手を抜けない“という緊張感やらなんやらで追い詰められ、
普段だったらしないようなミスをしてしまうことも多々ありました。
たとえば簡単なミスで言うとお客様にリンゴジュースと言われていたのに緑茶を渡そうとしてしまったり。
それらを含めて実力なのですが、
「信じてください、いつもはちがうんですよ〜」と言い訳したくなるような、思わずその場から逃げ出したくなるような瞬間でした。
2.小さい指摘を受け続け精神的に追い詰められていた時にホットコーヒーを自分の制服にぶっかけてしまった時
こちらはキッチンでのお食事サービスの準備中の失敗あるあるで、ざっくり言うと火傷の一歩手前のような怪我なのですが、
CAとして働いていると(身体中のアザを含め)そんなことは日常茶飯事でした。
機内には怪我に繋がる危ないものもたくさん載せており、キッチン内にあるその代表格が、
蛇口からすごい勢いで出る熱湯、機内食を温めるオーブンの蒸気や鉄板、そして熱々のコーヒーなど。
ミモあるあるなのですが、
追い詰められると頭では違うことを考えてしまい、(次はあれやって、その次は、、、など)目の前の事に集中できなくなるという状況で、
さらにこわめの大先輩にねちねち嫌味を言われ続けた際、余裕がなくなり熱々のコーヒーを粗雑に扱い手や制服にぶっかけてしまうという…
大先輩ひいてはお客様に聞かれてはいけませんので声にならない声を出しその後は何事もなかったかのようにキッチンでの作業を続けましたが、
もう本当に踏んだり蹴ったりで、悔しさもあり、今すぐ家に帰りたいと強く思ったあの瞬間を今でも鮮明に覚えています。
3.知識が曖昧な点があったので苦労して作った(作らされた)あんちょこを見て確認していたらiPadのマニュアル見ればいいでしょと言われた時
「あんちょこ」という単語、皆さまはご存知でしょうか。
航空会社のみの用語なのか真相は謎ですが、
簡単に言えば“マニュアルを自分なりにまとめたメモ“でして、CA達は入社してすぐ、早くて訓練中にコツコツと作り出します。
(教官に作った方がいいと言われた)
単純そうに見えて、結構覚える事が多いのがCAの仕事ですので、新人の頃はあんちょこがポケットに入っているだけで安心していた記憶があります。
と、主に自分のためであるあんちょこですが、
たとえば大先輩に知識の確認をされたり機内で何かが起きた場合、ささっとあんちょこを確認して答えられれば「うん、この子勉強してるね」と思われ、姿勢を評価してもらえる。
もちろん空で答えれることが理想なのですが、それが難しかった場合、あんちょこさえ手元にあれば立派な予防線になるんですね。
ただ題名にもある通り、大先輩によってはそんなあんちょこを出してペラペラと頁をめくり確認していると、
(自作のメモなもんだから該当の頁を見つけるのに多少の手間がかかる)
「なんでiPadの検索機能があるのにそれを使わないの!爆笑」と言われてしまうこともしばしばあり。
そう言われて、新人の頃は「せっかく作ったのにそんなひどい…」と思って少々腹が立っていましたが、年次が上がるにつれ「本当その通りだわ」とも思っておりました。
勉強している姿勢を見せることが大事!なんて教官から教えられるような、古いところが多いのがCAの世界でもあります。
さいごに
本日は、CAがフライト中、「今すぐ飛び降りたい」と思った7つの瞬間について、まずは前編として1〜3までお話ししました。
CAという職業のストレスって、
周りのクルーとの人間関係だったり、お客様対応だったり、
はたまた時差や気圧、乾燥や揺れなどによる身体へのダメージだったりといろいろあるのですが、
またそれとは別に、本記事でお話ししたような自分の凡ミスからのストレスも多くあった記憶があります。
でもそれもこれも、
(ミモが人よりおっちょこちょいであったことは置いておいて)
CAの仕事がすべて、“機内“という地上とはまったく異なる過酷な環境での作業であること、
“フライトタイム“という時限爆弾のようなものを抱えた、常に何かに追われている状態での業務だったから、
こわい大先輩はもっとこわくなるし、
お客様も疲れや待たされた感でイライラしがちになり、
CA達も疲れや酸欠でいつもより注意力が無くなってしまったりするのかなあ、なんて辞めた今となっては考えたりします。
なのできっとCAにはそれらをも超越する強靭なメンタルと体力が必要なんです。
つくづく、長くCAを続けていらっしゃる方々本当に尊敬します。
私は5年で疲れちゃった。
以上です!
またお会いできますように。