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ANAの現役CAに副業について聞いてみた。【実際のところどうなの?】

投稿日:2020年12月17日 更新日:

 

 

こんにちは!

 

本日は、2020年10月に発表された、ANAの“副業OK“というニュースについて、現役CAから入手しました情報をもとにお話ししていきたいと思います。

 

 

巷では、

CAの未来の働き方!さすがANA

でしたり、

CAがやりそうな副業についていろいろと考察されたり、

はたまたCAにオススメの副業についての記事が出回ったりと界隈が賑わっているところではありますが、

 

 

先に言っておきますがその副業に関する制限は厳しく、

さらにCAの特殊な勤務体系により選べる副業の種類はかなり限られており、

この発表を受け実際に現役CA達が感じたこと、

そして一方のJALCA達はどう考えているのか、

それらについて、去年まで日系CA5年間勤め、ANAJAL両社に太めな友人がいる筆者が解説していきたいと思います。

 

 

 

 

ではまいりましょう!

 

 

 

 

ANACA 副業解禁のニュース

全日本空輸(ANA)は従業員の副業範囲を広げ、勤務時間以外にほかの会社とも雇用契約を結べるようにする方針を固めた。パイロットや客室乗務員を含む全従業員15000人を対象とする。新型コロナウイルスまん延による業績悪化をうけ、一般社員の年収は3割減る見通し。副業制度を見直し、従業員がANA以外からも収入を得やすくする。

労働組合に方針を提示した。2021年の開始を想定し、詳細は今後詰める。これまでも勤務時間外に家庭教師として働くなど、個人事業主としての副業は認めていた。今回の提示では、ANAで働きながら他社ともパートやアルバイトなどとして雇用契約を結べるようにする。今後は親会社のANAホールディングス(HD)傘下の各社にも広げる。

コロナ禍による需要の大幅な減少で、航空各社の業績は低迷している。ANAはこのほど労組に一般社員の給与カットを提案した。一時金の減額も含め年収ベースで3割減となる。副業の拡大で社員の理解を求めるとともに、副業で得た経験やスキルを自社の業務に生かしてもらう狙いもある。

2020/10/10 日本経済新聞電子版より引用

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64862040Q0A011C2NNE000?s=0

こちらのニュースによると、明確な日付はわかりませんが、来年度よりCAを含む全社員の副業を解禁する、とのこと。

堅いイメージのある日系航空会社でこのような動きがあることにミモはとても驚きましたね。

なんと柔軟な対応、と。

経営が悪化している全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)の航空大手2社は30日、冬のボーナスの大幅削減で労働組合と合意した。ANAはゼロ、JALは前年から約8割減(月額給与の0・5か月分)となる。新型コロナウイルスの感染拡大で旅客数が激減しており、労組側は雇用維持を条件にボーナスの大幅減を受け入れた。

ANAが冬のボーナスを支給しないのは、記録が残る1962年以降では初めて。JALは、既に夏のボーナスを半減させており、夏、冬両方のボーナスを減額するのは、経営破綻した2010年以来となる。

 ANAの経営側は、夏と冬のボーナス削減に加え、月額給与も減額して社員の平均年収を3割以上減らす案を労組に示していた。夏のボーナスは半減で合意していたが、月給の削減については、継続して協議する。

 ANAでは、成田、羽田の両空港に所属する客室乗務員(CA)約8000人に対し、勤務日数を5割削減する代わりに、地方移住を許可する方針も労組に伝えている。これについても、労使で協議を続ける。

 2021年3月期連結決算の最終利益は、ANAを傘下に持つANAホールディングス(HD)が5100億円の赤字、JALが最大2700億円の赤字を見込んでいる。航空会社は固定費の負担が重いため、社員の外部企業への出向を進めるなどし、雇用を維持しながら人件費の削減を急いでいる。

2020/11/30 読売新聞オンライン版より引用

https://search.yahoo.co.jp/amp/s/www.yomiuri.co.jp/economy/20201130-OYT1T50201/amp/%3Fusqp%3Dmq331AQRKAGYAdDcuKPrh-WZkQGwASA%253D

現在こちらのニュースにあるように、既にANAでは給料そしてボーナスのカットが決定されています。

以前こちらの記事ANAのCAに、4月のスケジュールを見せていただきました。【新型コロナウィルス】

で新型コロナウィルスの影響を受けたANACA2020年4月のスケジュール、そして給料について予想しておりますが、

それはANAの減便状況を見る限り、202012月現在でも変わっていないはず。

そうなると、副業がOKになれば、知見が広がると同時に、それまでのお給料で決めた住まいの家賃などに圧迫されているCA達の生活はかなり楽になりますよね。

驚いたと同時にミモはそうポジティブに感じ、ANAの現役CAの友人2人に連絡を取ってみました。

 

 

 

 

 

ANAの現役CAに副業について聞いてみた。

「副業OKになったって聞いたよ、実際のところどうなの?」

とストレートに聞いてみましたよ。

 

【1人目の回答】

規定が厳しすぎて副業する気はない。

同棲しているから家賃負担も少ないし、フライトが無いとお金をそこまで使わないからなんとかなってる。

規定の厳しさから、やる気を無くしてしまっています。

どれほど厳しいのでしょうか

 

【2人目の回答】

少しでも稼ぎたいから始めようかと思ったけど、スケジュールの発表は(現時点で)前月末だし、万が一のスタンバイ呼び出しを考えると現実的に厳しい。

知り合いの会社で融通を利かせてもらって働くって同期はいる。

実家に帰ることも考え中。

スケジュールが出るタイミング、そして以前こちらの記事CAの仕事の一つ、「スタンバイ」とは。呼ばれる理由と過ごし方。【天国と地獄】でお話ししているスタンバイという、CAの特殊な勤務体系がネックとなり、王道の副業は難しいよう。

うーん、解禁と言えど、いろいろと難しいものがあるという

さらに詳しく見ていきます。

 

 

 

 

副業を難しくする“ANAの厳しすぎる規定と、“CAの特殊な勤務体系“。

規定に関して一からお伝えしようとするとボリュームが大変な事になること、そしてミモを含め現役ANACAの友人でさえも理解ができない項目が多いため、わかりやすいものだけさっくりとお伝えします。

 

1、許される労働時間が、フルタイムで働くCAからすると無いに等しいという点。

副業解禁と言えど、時間の制約がかなりタイトであるようで、たまたまフライトが少ない月があれば、奇跡的にできて奥様の尻にしっかりと敷かれたサラリーマンの一月のお小遣い程度。

(ちなみにCAのうちほとんどはフルタイムで働いています。それ以外は何かと言うと、ANAでは短日勤務と言って、58割にフライトタイムを減らすことが可能な、お子様がいるCAなどが選択できる働き方があるけれど、こちらは少数派。)

兼業先からしても、それしか働けない新しい従業員、果たして欲しいのでしょうか、という

 

 

2、兼業先の仕事はANAでの仕事の〜時間前に終わらせなくてはならないという点。

〜に入るのはまあ常識的な範囲の数字なのですが、

たとえばCAのスケジュールに頻出する、“次の日がタクシー出社レベルの3:00起き早朝フライト“が入っているとすると、その前日の兼業先の勤務は昼過ぎに終えなくてはならないという

なかなか融通の利く会社でないと難しいですよね。

 

 

3、スケジュール発表は前月の月末という点。

こちらの記事ANAとJALのCA 一ヶ月のスケジュールを徹底比較。【現役CAの実際のスケジュール公開】

でご紹介したCAのスケジュールの発表は、前月の月末になされます。

ミモの遠い学生時代のアルバイトの記憶からすると、シフトの希望提出は前月の半ばくらいまでだった気がしますので、兼業先のシフト作成が困難となりうるのでは…

なかなか雇いづらいというのが本音なのではないでしょうか。

 

 

4、スタンバイがもし起用されてしまう、あるいは急なスケジュールチェンジが起きてしまう場合、兼業先の勤務に影響が出る可能性があるという点。

先ほど挙げたスタンバイに関する記事の中でもお話ししているように、CAのスケジュールはわりと簡単に崩れるもの。

ミモも、大雪の為、ニューヨークから本来であると24日で帰るところを、46日した経験もあります。

こういった可能性を鑑みると、働く日はかなり限られてしまいますよね。

 

 

 

 

 

一方のJALCA達はというと。

お給料は減ったものの、強く副業をしたい!と考えているCAは、ミモの周りでは少ない気がします。

しかしそんな中でも、こういったANAの詳しい規定は知らず、ただただ副業がOKになるかも!との淡い期待を抱いているCAは少なからずいる模様ではありますが、

ただやはりこのANAの規定、またはCAという勤務体系の特殊さからくる副業の難しさを見る限り、

すんなりと解禁するとは個人的には想像できません。

航空需要が回復する方が先か、なんとかANAに倣い解禁する方が先か

どちらにしても、険しい道のりとなりそうです。

 

 

 

 

 

では結局どういった副業が可能なのか。

ANAの規定について、1から100まで理解したわけではないのであくまで推測でしかありませんが、

できるとしても、

フリーランスで労働時間を自由に選べるもの、

知り合いの会社で融通を利かせてもらい働く、

大きい声では言えませんが怪しげな、、、

くらいなのではないでしょうか。

手に職が基本的に無いCA達にとって、簡単に「副業解禁!」と言われてもなかなか難しいというのが現実だと思います。

一見新しい仕組みを作り、社員をなんとか救済しているように見えたけれど現実は厳しい。

 

 

 

 

 

さいごに

本日は、ANAの副業OKというニュースについて、ANAの現役CAから入手しました情報をもとにお話ししていきました。

 

 

今回の記事をまとめると、

「副業に関する制限は厳しく、現実的に不可能と判断しており、働く気が起きているCAは実際のところ少ない。」

ですね。

 

 

日本にお住まいの外資系航空会社のCAさんは、

フライトが無い日にがっつりと8時間×3日、飲食系の副業の連勤をこなされている投稿を以前某SNSでお見かけしましたが、

でもこれができるのって、

ミモの想像でしかありませんが、

お給料の発生しないスタンバイなどではない“無給休日“が多い(ということはCAとしてのお給料が日系より少ない状況ということ)からこそできることなのかなと思ってしまい、

今後どうなっていくかはわかりませんが、

今回のANAの副業規定を見る限り、ある意味驚きましたが、ある意味、日系はまだ雇用がしっかり守られている証拠なのでは、とも考えさせられました。

 

 

 

どっちもどっちだけど

 

 

 

ミモの知り合いの某大手IT企業に勤めている友人は、

本業に加え小さな会社を立ち上げており、

そういうことも可能な企業がある中で、ちょっとばかり厳しいですよね。

 

 

 

まあ、来年度の解禁に合わせ、いろいろとスケジュールの発表時期を含め変わってくるのかなとも思いますが。

 

 

 

 

副業って、本業がフルでありきのプラスで稼ぐってのが正直理想です。

そうじゃないのはただしんどいよ。

 

 

 

早く航空業界に光あれ

 

 

 

以上です!

 

 

またお会いできますように。




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ミモ
大手日系客室乗務員を約5年間勤め、国際線、ファーストクラスを中心に担当。新卒採用の現場経験あり。

現在はイギリス在住、0歳の子がいます。

instagram→mim_otravel